ウェーハ表面の微細な凹凸を均一に整えるために用いられるのが、スラリーと呼ばれる研磨液です。スラリーは、化学的な溶解作用と機械的な研磨作用を組み合わせることで、ウェーハ表面の微細な凹凸をナノメートル単位で均一に整えることが可能です。
CMPスラリーは、半導体ウェーハの表面を平らに仕上げるための研磨液です。水に数十~数百ナノメートルのシリカやアルミナなどの微粒子を分散させ、過酸化水素などの酸化剤や腐食を防ぐ添加剤、pH調整剤などを混ぜ合わせています。
化学反応で表面を軟らかくしつつ、粒子でこすり取る「化学+機械」の二段構えで、原子レベルの平坦さを実現します。粒子の大きさやpH、添加剤の種類と量を工程ごとに細かく調整することで、削る速さや選択性、欠陥の少なさをコントロールし、多層配線の歩留まり向上に欠かせない材料となっています。
CMPプロセスでは、以下の手順でスラリーが活用されます。この工程を通じて、CMPスラリーはウェーハ表面を均一に平坦化する役割を果たします。
研磨装置の研磨パッド上に、スラリーを滴下します。スラリーの供給量や濃度は研磨速度や表面品質に影響を与えるため、細かく確認を行いながらの対応が必要です。
CMPスラリーの製造には高度な分散技術が必要で、以下の工程が含まれます。
これらの工程を経て製造されたCMPスラリーが、半導体製造におけるナノメートル単位の研磨を支えているのです。
CMPスラリーは、半導体製造におけるウェーハ平坦化プロセスの中核を担う重要な材料です。適切な材料の選択と材料に応じた管理、そして徹底した品質管理で製造されたスラリーがあることで、高品質な半導体デバイスの生産を可能にします。
今後も、半導体技術の進化に伴い、CMPスラリーの役割と重要性はさらに高まるでしょう。
このメディアでは、CMP装置の導入を検討している企業向けにさまざまなCMP装置メーカーを紹介しています。
TOPページではウェーハサイズと研磨用途別にCMP装置メーカーを比較して掲載していますので、装置選定の参考としてご活用ください。
\研究開発・安定供給・大型基板対応/
研磨用途別
CMP装置メーカー3選を見る
柔軟性と高い機械剛性を備え、角チップも取り付け可能。金属・酸化・窒化膜、ベアウエハはもちろん材料や関連商品などの研究開発向けに、試作の細かな調整がスムーズに行える卓上型CMP装置。
ウェーハ サイズ |
チップサイズ ~150mm |
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自動研磨機能と4つのテーブルを使ったデュアルモジュール構造で効率的な半導体製造の歩留まり向上を実現。安定した品質と高い生産効率を提供。
ウェーハ サイズ |
~300mm |
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大型基板の高密度配線やTSV(貫通電極)プロセスの複雑な構造に対応した450mmウェーハ用では世界初※の全自動CMP装置。ポリッシュ取り代量の多い工程でも、安定した研磨性能。
ウェーハ サイズ |
~450mm |
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