自社に合うCMP装置を選ぶ
研究から量産、大型基板までの
CMP装置選定ガイド

CMP装置は半導体で欠かせない存在ですが、用途や対象物に応じた装置の選定が、効率性や品質向上の鍵となります。目的や規模に適した装置を導入することで、研究開発や生産工程が効率化され、コスト削減や生産性向上が期待できます。このメディアでは研磨用途別におすすめのCMP装置を紹介しています。ぜひご活用ください。

研磨用途別に厳選
CMP装置3選

研究開発用の基板
試作したい

北川グレステック
DCMシリーズ

北川グレステックのCMP装置 DCMシリーズ
ケメット・ジャパン公式HP
(http://www.j-mat.co.jp/products/30/)
特徴

柔軟性と高い機械剛性を備え、角チップも取り付け可能。金属・酸化・窒化膜、ベアウエハはもちろん材料や関連商品などの研究開発向けに、試作の細かな調整がスムーズに行える卓上型CMP装置。

ウェーハ
サイズ
チップサイズ
~150mm
\研究開発用の基板に/詳細を公式HPで
確認する
安定した量産体制
確立したい

荏原製作所
F-REX300X

荏原製作所のCMP装置 F-REX300X
引用元:荏原製作所公式HP
(https://www.ebara.co.jp/products/details/FREX300XA.html)
特徴

自動研磨機能と4つのテーブルを使ったデュアルモジュール構造で効率的な半導体製造の歩留まり向上を実現。安定した品質と高い生産効率を提供。

ウェーハ
サイズ
~300mm
\生産体制の安定に/詳細を公式HPで
確認する
大型基板の加工精度
向上させたい

岡本工作機械製作所
PNX1200

岡本工作機械製作所 PNX1200
引用元:岡本工作機械製作所公式HP
(https://www.okamoto.co.jp/polishing-machine)
特徴

大型基板の高密度配線やTSV(貫通電極)プロセスの複雑な構造に対応した450mmウェーハ用では世界初※の全自動CMP装置。ポリッシュ取り代量の多い工程でも、安定した研磨性能。

ウェーハ
サイズ
~450mm
※参照元:岡本工作機械製作所公式HP(https://www.okamoto.co.jp/polishing-machine)

CMP装置3選を
詳しく解説

研究開発用の基板
試作したい

北川グレステック
DCMシリーズ

北川グレステックのCMP装置 DCMシリーズ
引用元:ケメット・ジャパン公式HP
(http://www.j-mat.co.jp/products/30/)
対応ウェーハ
サイズ
チップサイズ~150mm
プラテンサイズ φ380mm
ヘッドプレート径 φ180mm(最大6インチウェーハに対応)
装置寸法 W850×D600×H800mm
重量 130kg
参照元:北川グレステック公式HP
https://www.kitagawagt.co.jp/product/925/

CMP装置「DCMシリーズ」の強み

多様なスラリー対応と
高い柔軟性で、
研究開発に特化したCMP装置

金属、酸化膜、窒化膜、ベアウエハや関連商品などの研究開発に使用できる卓上型CMP装置。角チップの取り付けと空圧による荷重調整に対応し、試作段階での条件変更がスムーズ。高い機械剛性により、精度の高い研磨結果が得られ、研究開発の品質向上につながります。

卓上型で省スペース設置、研究室での試作・検証もスムーズ

小型で場所を取らない卓上型のCMP装置。研究室や試験環境での使用に適し、多様なスラリーを活用した試作・検証を効率化。研磨データは据え置き型装置にも転用可能で、試作から量産への移行がスムーズに進みます。

CMP装置「DCMシリーズ」が
おすすめな企業

  • 半導体や電子部品の研究施設で、多様なスラリーを活用しながら試作時の研磨条件を細かく調整したい
  • 大学や研究機関の実験室で、省スペースの卓上型CMP装置を導入し、試験・検証を効率化したい
  • 試作開発を行うメーカーの技術センターで、研磨データを据え置き型装置にも転用し、量産への移行をスムーズにしたい

会社情報

北川グレステックは、システム精工株式会社とケメット・ジャパン株式会社の合併により誕生。HDD研磨装置の技術と、半導体・電子部品の研磨消耗品や受託加工のノウハウを融合し、精密研磨や自動化装置を開発・提供。3インチから300mmまでのウェーハに対応するCMP装置を展開し、卓上型から据置型まで幅広いラインナップを揃える。酸性・アルカリ性スラリーや角チップの研磨にも対応し、研究開発から量産まで多様なニーズに適応する。

企業名 北川グレステック株式会社
所在地 千葉県千葉市花見川区犢橋町1614-27
電話番号 043-301-5408
URL https://www.kitagawagt.co.jp/
安定した量産体制
確立したい

荏原製作所
F-REX300

荏原製作所のCMP装置 F-REX300X
引用元:荏原製作所公式HP
(https://www.ebara.co.jp/products/details/FREX300XA.html)
ターンテーブル数 4
トップリング数 4(300mmウェーハ対応)
洗浄ユニット数 6 or 8 /8+

CMP装置「F-REX300」の強み

高効率搬送と
デュアルモジュールで安定生産

F-REXシリーズは、4つのテーブルを備えたデュアルモジュール構造を採用。一方のモジュールがメンテナンス中でも、もう一方が稼働し続けるため、装置の停止を最小限に抑えながら安定した生産を維持。稼働率の向上と歩留まり改善につながります。

長期間の安定運用を実現する
環境配慮設計

ウェーハや基板を研磨装置内で柔軟に移動・配置できる設計により、無駄な動作や複雑な機構を削減し、部品点数を減少。エネルギー効率を高めることで、環境に配慮しながら運用コストを抑え、長期間にわたる安定稼働を支援します。

CMP装置「F-REX300」が
おすすめな企業

  • 半導体量産工場で、高効率搬送とデュアルモジュール構造を活用し、安定した生産体制を確立したい
  • ウェーハ加工を行う製造ラインで、クロスコンタミネーションを抑えつつ、長時間稼働できる装置を導入したい
  • 環境負荷低減に取り組む企業で、消費電力の削減や部品点数の見直しによる持続可能な製造プロセスを実現したい

会社情報

荏原製作所は、1912年創業の日本の機械メーカー。ポンプや送風機、コンプレッサ・タービンに加え、半導体製造装置など多岐にわたる製品を展開し、建築・産業、エネルギー、インフラ、環境、精密・電子の5分野で社会を支えています。取り扱うCMP装置は「ドライイン/ドライアウト」技術により研磨後の洗浄・乾燥を装置内で完結し、製造精度を向上。安定した量産体制の構築を支え、高品質な半導体生産と産業の発展に貢献しています。

企業名 株式会社 荏原製作所
所在地 東京都大田区羽田旭町11-1
電話番号 03-3743-6111
URL https://www.ebara.co.jp/
大型基板の加工精度
向上させたい

岡本工作機械製作所
PNX1200

岡本工作機械製作所 PNX1200
引用元:岡本工作機械製作所公式HP
(https://www.okamoto.co.jp/polishing-machine)
対応ウェーハサイズ ~450 mm
プラテン Φ1200 mm
本体質量 7,500kg

CMP装置「PNX1200」の強み

最大450mmの大型基板に
対応し、精密な仕上げを実現

450mmウエハ用では世界初※の全自動CMP装置。3つのポリッシュステージを備え、中研磨から仕上げ研磨まで複数のウェーハを同時処理します。均一な研磨力を維持しながら、広範囲の表面を高精度に仕上げることで、大型基板の品質向上を支えます。

※参照元:岡本工作機械製作所公式HP(https://www.okamoto.co.jp/polishing-machine)
厚みのある再生ウェーハや複雑なプロセスにも適した研磨性能

PNX1200は、ポリッシュ取り代量の多い工程でも、安定した研磨性能を発揮し、表面の均一性を確保。複雑な構造を持つウェーハにも適応し、材料の特性を損なわずに高精度な研磨が可能。多様なプロセス要求に応え、製造の安定性を高めます。

CMP装置「PNX1200」が
おすすめな企業

  • 大口径ウェーハを扱う半導体メーカーで、450mmサイズのウェーハ研磨を行いたい
  • 再生ウェーハの加工を行う企業で、ポリッシュ取り代量が多いウェーハでも均一な仕上がりを実現したい
  • 次世代半導体デバイスの試作・量産工場で、高密度配線などの複雑な構造に適した研磨技術を導入したい

会社情報

岡本工作機械製作所は、群馬県に本社を構える研削盤や半導体関連装置のメーカー。1935年の創業以来、精密研削技術の発展に貢献し、高精度な平面・成形・内面研削盤を提供。CMP装置の開発・製造も手掛け、加工状況をリアルタイムで把握可能です。データの相互転用にも対応し、品質管理と研磨工程の安定化を支えます。2024年には三井物産と提携し、さらなる技術革新と市場拡大を目指しています。

企業名 株式会社岡本工作機械製作所
所在地 群馬県安中市郷原2993
電話番号 公式HPに記載なし
URL https://www.okamoto.co.jp/

CMP装置のメーカー一覧

こちらでは、北川グレステックや荏原製作所を含む国内外の主要メーカーの製品を紹介します。各装置の特長や用途を理解することで、CMP装置の選定に役立てることができます。

HDD研磨装置の技術と半導体研磨のノウハウを融合し、精密研磨や自動化装置を開発。卓上型から据置型まで、多様なCMP装置を提供しています。

CMP装置DCMシリーズ
所在地千葉県千葉市花見川区犢橋町1614-27
電話番号043-301-5408
URLhttps://www.kitagawagt.co.jp/

1912年創業の荏原製作所は、ポンプや半導体製造装置などを展開。建築・エネルギー・精密電子分野に貢献し、社会インフラを支える機械メーカーです。

CMP装置F-REX300XA型
所在地東京都大田区羽田旭町11-1
電話番号03-3743-6111
URLhttps://www.ebara.co.jp/

精密計測機器と半導体製造装置を提供。CMP装置をはじめとする研磨技術を展開し、高精度な製造プロセスを支えています。

CMP装置ChaMP332
所在地東京都八王子市石川町2968-2
電話番号042-642-1701
URLhttps://www.accretech.com/jp/
もっと見る

切断・研削装置の技術を活かし、CMP装置を開発。ウェーハの平坦化や高精度研磨を実現し、半導体製造の品質向上に貢献しています。

CMP装置DFP8141
所在地東京都大田区大森北2-13-11
電話番号03-4590-1000
URLhttps://www.disco.co.jp/jp/

半導体・光学・自動車向け研磨装置を提供。研究開発から生産現場まで対応し、高精度な研磨技術を支えるメーカーです。

CMP装置LM-15ーSⅠ
所在地東京都千代田区神田佐久間町2-13 FTビル
電話番号03-3863-6617
URLhttp://lap-japan.co.jp/

半導体製造に不可欠な装置を提供。CMP技術により、ウェーハの高精度な平坦化と製造プロセスの効率化を実現します。

CMP装置Mirra CMP 200mm
所在地東京都港区海岸3-20-20 ヨコソーレインボータワー
電話番号03-6812-6800
URLhttps://www.appliedmaterials.com/jp/ja.html

ウェーハ受託加工やCMP装置の販売を手掛ける企業。出版・セミナーなどを通じ、半導体業界の情報提供も行っています。

CMP装置POLI-1300PCB
所在地東京都中央区湊1-2-10 堀川ビル 6F
電話番号03-5117-2225
URLhttps://global-net.co.jp/

研磨装置・洗浄機を製造し、受託加工も展開。オンラインショップ「T-Direct」を運営し、小ロットの販売にも対応しています。

CMP装置TRCP380
所在地神奈川県横浜市都筑区仲町台1-2-20 フロンティアビル5F
電話番号045-949-5008
URLhttps://www.technorise.ne.jp/

半導体・FPD・フォトマスク製造装置を開発。先端技術を活かし、精密加工の効率化と品質向上に貢献しています。

CMP装置MGP708XJ
所在地東京都中央区日本橋兜町15-12 兜町MOCビル
電話番号03-3668-8132
URLhttps://www.micro-eng.co.jp/

IMT

半導体や液晶パネル向け研磨機器を提供。試料ラボセンターを活用し、精密研磨技術や消耗材の選定支援を行う企業です。

CMP装置ウェハーベベル研磨装置
所在地和歌山県日高郡印南町西ノ地1333
電話番号0738-43-0333
URLhttps://e-imt.co.jp/index.html

群馬県に本社を置く研削盤メーカー。2024年に三井物産と提携し、研削技術のさらなる発展と市場拡大を目指しています。

CMP装置SPP600S
所在地群馬県安中市郷原2993
電話番号公式HPに記載なし
URLhttps://www.okamoto.co.jp/

CMP装置とは?

CMP(化学機械研磨)は、半導体ウェーハの表面を平坦化する装置。微細なトランジスタや配線を正確に形成するために不可欠な技術であり、半導体の高性能化に大きく貢献しています。こちらではCMP装置について情報をまとめました。

CMPは化学反応と機械研磨を組み合わせた研磨技術。スラリーとパッドの摩擦を利用し、ウェーハ表面の不要な材料を均一に削り取る。ナノメートル単位での精密な制御が可能なのが特徴です。

量産向けCMP装置は数千万円から数億円まで幅広い。研究開発用は比較的低価格だが、それでも数千万円を超えることが多い。用途に応じた仕様選定が重要となります。

もっと見る

CMP市場は大手メーカーが競争を繰り広げる分野。装置の研磨精度や処理能力、スラリー供給の最適化などが各社の強みとなり、技術革新が進んでいる。市場動向の把握が求められます。

研磨液「スラリー」は、化学的な溶解作用と機械的な研磨を併用し、ウェーハ表面を滑らかにする役割を持つ。適切なスラリーの選定により、研磨精度や工程の最適化が可能となる。

CMP装置の選定や運用に関する疑問は多い。適切な装置の選び方やスラリーの管理方法、消耗品の交換時期、価格相場など、導入時に押さえておきたいポイントを解説。適切な運用で研磨精度を維持できます。

半導体の受託加工は、設計から製造、組立、検査、物流までの工程を専門企業に委託する手法。効率的な生産体制の構築や技術力向上を目的とし、多くの企業が採用している。

CMP装置の種類

CMP装置には卓上型と据え置き型がある。卓上型は研究向け、小規模生産向けに適し、据え置き型は大量生産向けに設計。用途や処理能力を考慮した選択が求められる。

卓上型CMP装置

卓上型CMP装置は、研究開発や試作向けに適したコンパクトな設計。小規模な処理が可能で、限られたスペースでも設置しやすい。試験用途での精密な加工に適し、使いやすさやメンテナンス性の高さも魅力です。

据え置き型CMP装置

据え置き型CMP装置は、大規模生産向けに設計された高スループットの装置。多くのウェーハを連続的に処理でき、生産効率を向上させる。高度な制御システムを搭載し、均一性と再現性を高めることが可能です。

半導体の用語集

半導体製造には、専門的な技術用語が多数存在。リソグラフィ、エッチング、平坦化など、製造工程に関連する言葉を理解することで、半導体技術の全体像を把握しやすくなります。基礎知識として重要です。

リソグラフィは、半導体製造で微細な回路パターンを形成する技術。光や電子ビームを使い、ウェーハに精密な構造を描写する。微細化技術の進展に伴い、高解像度のリソグラフィ技術が求められています。

半導体製造では、各層の凹凸をなくす平坦化工程が重要。CMPはその代表的な手法であり、化学的な作用と機械研磨を組み合わせ、ウェーハ表面を均一に整える役割を果たす。

もっと見る

半導体製造において、加熱による材料の流動性を活用し、表面の凹凸を整える手法。1970年代から普及したが、微細化技術の進化とともに、新たな加工法への移行が進んでいる。

エッチバック法は、半導体の微細加工技術の一つ。特定の材料層を選択的に削り取り、平坦化やパターン形成を行う。高集積化が進む半導体デバイスの製造において、欠かせない技術の一つです。

研磨用途別
CMP装置3選