卓上型CMP装置は、小型の装置でCMP(化学機械研磨)プロセスを行うための機器です。
主に研究開発用途や試作段階で活用され、CMPの専門知識がなくても扱いやすい設計が特徴です。コンパクトな設計により、研究室やクリーンルームの限られたスペースにも設置可能です。
卓上型CMP装置はコンパクトな設計で、作業台や実験台への設置が可能です。専用のクリーンルームや特別な設備を必要とせず、既存の研究環境に導入しやすい点が特長です。
専用設備が不要なため、初期投資だけでなく、維持管理コストも削減可能。大型CMP装置のように特別なインフラ整備が不要なので、設備維持のための追加コストがかかりません。操作性がシンプルでメンテナンスも容易なため、日常的な保守にかかる時間とコストも抑えられます。
また据え置き型CMP装置と比べて導入コストが低く、消耗品の使用量も少量で済みます。試作・開発段階でのコスト管理がしやすく、少量生産やプロトタイプ作成に適しています。
卓上型CMP装置は、試作・研究開発向けに設計されており、少量のサンプルでも均一な研磨を実現できる精度を備えています。そのため、新素材の開発や加工方法の検討、プロセスパラメータの最適化といった試験に適しています。
さらに、量産ラインのCMP装置を稼働させずに試験を行えるため、製造ラインの稼働を止めることなく新しい材料やプロセス条件の検証が可能です。これにより、試作段階のコストと時間を削減し、柔軟な開発環境を構築できます。
試作段階から量産へとスムーズに移行できる点が、卓上型CMP装置の大きなメリットの一つです。
一部の卓上型CMP装置では、据え置き型CMP装置と共通のデータ形式やプロセス条件を採用することで、試作段階の研磨データを量産工程へ活用できる設計が採用されています。これにより、研究開発段階で得られた最適な研磨条件を、そのまま量産装置へ適用可能。量産移行時の調整負担を軽減できます。
また量産ラインのCMP装置を稼働させる前に、卓上型装置で事前に条件を確認できるため、製造プロセスの安定化や開発期間の短縮が可能です。
卓上型CMP装置は、コンパクトな設計の反面、処理能力に一定の制約があります。多くの場合、装置は限られたウェーハサイズにのみ対応しているため、大口径ウェーハの処理は対応できません。試作や少量生産の段階での利用には有用ですが、大規模な生産ラインへの導入に際しては十分な検討が必要です。
卓上型CMP装置はコンパクトな設計のため、据え置き型と比べると外部の振動や衝撃の影響を受けやすく、研磨精度に影響を及ぼす可能性があります。機械的な安定性や加工の再現性に注意が必要です。
また機械剛性(装置の変形しにくさ)が低い場合、研磨圧の変動により加工の均一性が損なわれることがあります。温度や湿度などの環境要因が研磨速度や表面仕上がりに影響を与える可能性もあるため、卓上型CMP装置を選定する際は、設置環境や用途に応じた機種を選んでください。
卓上型CMP装置はシンプルな構造のため、日常的なメンテナンスは簡単です。しかし一部の作業は手動で行う必要があります。
例えば、研磨パッドは使用に伴い摩耗や目詰まりを起こすため、適切なドレッシング(目直し)が欠かせません。しかし、卓上型CMP装置には自動ドレッシング機構を持たないモデルも多く、パッドの交換や調整は手動で行う必要があるため、運用時には定期的な作業が発生します。
研磨の均一性や仕上がり精度を安定させるには、装置の剛性とプロセスの安定性が重要な要素となります。剛性が高い装置は、振動や変形の影響を受けにくく、均一な加工を実現します。
また研磨条件の安定性も装置選びのポイントです。研磨圧やスラリー供給が均一でないと、仕上がりにバラつきが出る可能性があるため、装置の仕様や制御機能を十分に確認しましょう。
卓上型CMP装置には、主に錘荷重タイプと空圧荷重タイプがあります。
空圧荷重タイプは、研磨荷重の調整が容易で平坦性の維持に優れています。一方、錘荷重タイプは構造がシンプルで、メンテナンスが比較的容易です。ただし、洗浄時に手動調整が必要な場合もあるため、作業のしやすさと研磨の安定性を考慮して選ぶのが良いでしょう。
卓上型CMP装置はモデルごとに対応可能なウェーハサイズや加工材料が異なります。例えば、一部の装置は4インチや6インチウェーハに特化しており、大型のウェーハには対応していない場合があります。
またシリコン・化合物半導体(GaN、SiC)・ガラス基板など、装置ごとに適した材料が異なるため、加工対象に適合するかを事前に確認することが重要です。特に硬度の高い材料を扱う場合、適切な研磨圧やスラリーの供給制御が可能かどうかも選定のポイントとなります。
将来的な用途拡大を視野に入れるなら、異なる材料やサイズに対応できる柔軟な設計の装置を選ぶことで、長期的な運用の自由度が高まります。
CMP装置の操作に慣れていない研究者や、効率的な試作・評価を求める企業にとって、直感的な操作性や作業負担を軽減する機能は重要です。デジタル表示やタッチパネル式のインターフェースを採用した装置は、パラメータの設定や変更が容易で、オペレーターの負担を軽減できます。
また安全性の確保も欠かせません。安全カバーや緊急停止ボタン、防塵対策の有無を確認し、事故や環境への影響を最小限に抑えられる設計かどうかを見極めましょう。使用頻度や作業環境に応じて、必要な機能を備えた装置を選ぶことが重要です。
このメディアでは、CMP装置の導入を検討している企業向けにさまざまなCMP装置メーカーを紹介しています。
TOPページではウェーハサイズと研磨用途別にCMP装置メーカーを比較して掲載していますので、装置選定の参考としてご活用ください。
\研究開発・安定供給・大型基板対応/
研磨用途別
CMP装置メーカー3選を見る
DCMシリーズは、研究開発や小規模生産に適したモデルです。8インチや12インチの据え置き型をベースに設計されており、小型ながら高い機械剛性を備えています。また、研磨条件やデータフォーマットが据え置き型と共通しているため、研究開発段階で得られたプロセスデータを量産工程へスムーズに移行可能です。
さらに、酸性・アルカリ性を問わず、さまざまな種類のスラリー(研磨薬液)に対応できるよう設計されています。異なる材料の研磨にも適しており、研究開発の現場で幅広い試験や評価に活用できます。
| 対応ウェーハサイズ | チップサイズ~150mm |
|---|---|
| プラテンサイズ | φ380mm |
| プラテン回転数 | 5~80rpm |
| ヘッドプレート径 | φ180mm(最大6インチウェーハに対応) |
| ヘッドプレート回転数 | 5~100rpm |
| スラリー・リンスライン | 各1ライン |
| 荷重調整方式 | 空圧式 |
| 装置寸法 | W850×D600×H800mm |
| ドレスサイズ | φ190mmホイール |
| 重量 | 130kg |
| 企業名 | 北川グレステック株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県千葉市花見川区犢橋町1614-27 |
| 電話番号 | 043-301-5408 |
| URL | https://www.kitagawagt.co.jp/ |
LM-15-SⅠは、スペースを取らずに設置できる設計でありながら、φ6インチのウェーハ径に対応しており、研究開発や小規模生産の現場で活用されています。
この装置の特徴は、オシレーション機構付きの強制ドライブ駆動軸1軸を搭載している点です。通常の研磨装置では、使い続けるうちにラッピングプレート(研磨盤)の摩耗によって偏ることがありますが、LM-15-SⅠはその影響を抑える設計になっており、安定した研磨結果が得られやすくなっています。
| 制御方式 | PLCシーケンス |
|---|---|
| プレート径 | Φ380mm |
| 対象ウェーハ径 | Φ6インチ |
| プレート回転数 | 5rpm~240rpm |
| 電動研磨ヘッド | 1軸 |
| オシレーション駆動 | 1軸 |
| スラリー供給系統数 | 1系統 |
| 加圧方式 | 該当情報なし |
| プレート冷却機能 | 該当情報なし |
| 所要電源 | 200V 50/60Hz |
| 設置寸法 | W650×D620×H650mm |
| 重量 | 165kg |
LM-15-SⅡは、研究開発や小規模な生産工程に適したCMP装置です。LM-15-SⅠと比較すると、強制ドライブ駆動軸が1軸から2軸に増えたことで、より均一な研磨と効率的な処理が可能になっています。
PLCシーケンサー制御と液晶カラータッチパネルを採用しており、直感的な操作が可能です。使用者のニーズに応じた細かな設定変更にも対応できます。
| 制御方式 | PLCシーケンサー制御と液晶カラータッチパネル |
|---|---|
| プレート径 | Φ380mm |
| 対象ウェーハ径 | Φ6インチ |
| プレート回転数 | 情報なし |
| 電動研磨ヘッド | 2軸 |
| オシレーション駆動 | 2軸 |
| スラリー供給系統数 | 最大3系統 |
| 加圧方式 | 加圧シリンダー方式 |
| プレート冷却機能 | - |
| 所要電源 | 200V 50/60Hz |
| 設置寸法 | W650×D620×H650mm |
| 重量 | 185kg |
| 企業名 | ラップジャパン株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区神田佐久間町2-13 FTビル |
| 電話番号 | 03-3863-6617 |
| URL | http://lap-japan.co.jp/ |
KD-300は、研究開発や少量生産に適した簡易型卓上型CMP装置です。この装置の特徴は、耐薬品性に優れた設計にあり、化学薬品を使用する環境でも運用できるため、幅広い研究開発の場で活用できます。
研磨時の加圧を最大150Nまでかけることができ、1N単位で細かく調整可能です。研磨の圧力を細かく制御できることで、加工物ごとに適切な条件を設定でき、精度の高い仕上がりが期待できます。また、加工ヘッドは時計回り(CW)と反時計回り(CCW)の両方向に回転させることができ、研磨の均一性を高めることが可能です。
| 加工ヘッドの加圧 | 最大150N(1N単位で調整可能) |
|---|---|
| ヘッド回転方向 | 時計回り(CW)および反時計回り(CCW)の切り替えが可能 |
| ヘッド回転速度 | 8~9rpm(1rpm単位で調整可能) |
| プラテン回転速度 | 最大200rpm(1rpm単位で調整可能) |
| 対応ワークサイズ | 最大100mm |
| プラテン径 | 300mm |
KM-15-Ⅼ1は、コンパクトでありながら、さまざまな加工条件に対応できる柔軟な設計が特徴です。1軸タイプと2軸タイプの加工ヘッドを選べるため、用途に応じて適切な仕様を選択できます。研磨の際にヘッドが適切な動きをするように揺動機構と強制ドライブ駆動が組み込まれており、低摩擦シリンダーによる精密な加圧制御が可能です。加工中の圧力を細かく調整でき、研磨の安定性や再現性が向上します。
| 加工ヘッドの種類 | 1軸タイプ、2軸タイプ |
|---|---|
| 加工ヘッドの機構 | 揺動機構、強制ドライブ駆動、低摩擦シリンダーによる精密加圧制御 |
| レシピ機能 | 多段階レシピ対応 |
| ヘッド交換 | バキュームタイプ、バックタイプ、センター加圧式などをワンタッチで交換可能 |
| 企業名 | 株式会社Kenmat |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県相模原市中央区清新7-6-1-802 |
| 電話番号 | 042-404-2007 |
| URL | https://kenmat.co.jp/ |

柔軟性と高い機械剛性を備え、角チップも取り付け可能。金属・酸化・窒化膜、ベアウエハはもちろん材料や関連商品などの研究開発向けに、試作の細かな調整がスムーズに行える卓上型CMP装置。
| ウェーハ サイズ |
チップサイズ ~150mm |
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自動研磨機能と4つのテーブルを使ったデュアルモジュール構造で効率的な半導体製造の歩留まり向上を実現。安定した品質と高い生産効率を提供。
| ウェーハ サイズ |
~300mm |
|---|

大型基板の高密度配線やTSV(貫通電極)プロセスの複雑な構造に対応した450mmウェーハ用では世界初※の全自動CMP装置。ポリッシュ取り代量の多い工程でも、安定した研磨性能。
| ウェーハ サイズ |
~450mm |
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