荏原製作所

目次を見る
目次

荏原製作所は、1912年創業の日本の機械メーカーで、主力製品であるポンプをはじめ、送風機、コンプレッサ・タービン、半導体製造装置などを製造しています。事業は建築・産業、エネルギー、インフラ、環境、精密・電子の5つの分野に展開し、社会や産業、暮らしを支えています。

荏原製作所のCMP装置の特徴

半導体製造に不可欠な高精度な平坦化技術

半導体の製造では、回路の多層配線が求められますが、わずかな凹凸でも誤差が生じると回路の精度に影響を与えます。そのため、層ごとに表面を平坦化する工程が不可欠です。特にナノメートル(nm)単位の精密な研磨が求められる中、荏原製作所は直径30cmのウェーハに対して10nm以内の平坦化を実現。これにより、次工程での微細加工における誤差を抑え、回路全体の安定した動作と信頼性を確保します。

また、自動研磨機能と4つのテーブルを使ったデュアルモジュール構造になっており、効率的な半導体製造の歩留まり向上を叶えてくれます。半導体デバイスのさらなる高集積化と微細化を可能にしているほか、安定した品質と高い生産効率を提供しているのが大きな特徴です。

クリーンルームで研磨可能な「ドライイン/ドライアウト」技術

CMP装置は、ウェーハを研磨する際に微細な砥粒と薬液を使用することで、研磨くずが発生するため、クリーンルーム外で行われていました。しかし、荏原製作所はドライイン/ドライアウト方式を開発し、CMP装置内で研磨・洗浄・乾燥を完結させることで、クリーンルーム内での使用が可能になりました。クリーンルーム環境を維持したまま研磨工程を進めることができ、製造工程の効率化と高品質化に貢献しています。

環境への配慮

荏原製作所は、環境負荷の削減にも積極的に取り組んでいます。設計の見直しにより、F-REX300XA型は従来型(F-REX300X型)と比べて消費電力を10%削減しました。さらに、部品点数の削減により、サプライチェーン全体のCO₂排出量も抑制。環境に優しい半導体製造をサポートしています。

荏原製作所はこんな企業におすすめ

荏原製作所のCMP装置の紹介

F-REX200M2

F-REX200M2
画像引用元:荏原製作所公式HP(https://www.ebara.co.jp/products/details/FREX.html)

荏原製作所のCMP装置F-REX200M2は、一方のモジュールが停止しても、他方のモジュールでの運転に自動的に切り替えが可能なデュアルモジュール方式を採用。メンテナンスやトラブル時にも装置全体を停止する必要がありません。高い稼働率を実現し、生産性の向上に貢献しています。

さらに、F-REX200M2は多様なプロセス要求に対応できる柔軟な装置構成が可能で、量産用途だけでなく、研究開発用途にも適しています。オプションとして、研磨加工終点検出モニタやインライン膜厚測定器の追加が可能です。一台で複数のプロセス処理が可能で、量産だけでなく、実験開発用途にも適した装置構成を提供しています。

対応ウェーハサイズ 200mm
ドレスサイズ 記載なし
ターンテーブル数 2
トップリング数 2(200mmウェーハ対応)
洗浄ユニット数 2

F-REX300XA型

F-REX300XA型
画像引用元:荏原製作所公式HP(https://www.ebara.co.jp/products/details/FREX300XA.html)

新たに開発された高効率搬送機構とWPH最適化アルゴリズムを搭載することで、より搬送の自由度が向上し、1時間あたり190枚以上の処理が可能になりました。洗浄技術も強化され、スポンジ洗浄や2流体ジェット洗浄により微細なゴミを除去。乾燥技術も向上し、表面に跡が残りにくくなっています。

さらに、センサーが装置の状態を監視し、異常を早期発見できるため、安定した生産が可能です。

対応ウェーハサイズ 300mm
ドレスサイズ 記載なし
ターンテーブル数 4
トップリング数 4(300mmウェーハ対応)
洗浄ユニット数 8+

その他のCMP装置
のメーカーを見る

荏原製作所のその他事業

建築設備・産業設備

建築設備・産業設備分野では、給水ポンプや冷却塔を中心に、国内市場において広く導入されています。オフィスビルや商業施設向け・集合住宅などに、安定した水供給や空調環境の確保に貢献してきました。

さらに、IoTを活用した「メンテナンスクラウド」により遠隔監視や故障予兆診断を行い、設備の長寿命化と省人化を同時に実現しています。また、エネルギー転換が進む中で、水素関連技術や排熱再利用のターボヒートポンプも導入し、持続可能な社会づくりに寄与。

国内外のインフラ施設や工場など、幅広い現場で豊富な採用実績を誇る事業です。

エネルギー

同社は「持続可能な社会を実現するベストソリューションプロバイダ」を掲げ、石油・ガス、電力に加え、水素やアンモニアといった次世代エネルギー市場に対応した製品とサービスを展開しています。

極低温環境に対応するクライオジェニックポンプや、大型エチレンプラント向けコンプレッサをはじめとした基幹製品が中心です。発電所向け蒸気タービンや、肥料プラント用のアンモニアポンプなども供給し、世界中の石油化学工業や電力産業を支えています。

近年はカーボンニュートラルへの対応が加速しており、荏原製作所はCO₂インジェクションポンプやアンモニア対応機器の開発に注力。日本が有する豊富な地熱資源を活かす「超臨界地熱発電」にも取り組み、次世代エネルギーの基盤技術を提供しています。

水インフラ

インフラ事業では、排水処理や浄水施設、下水道といった社会基盤をポンプ技術で支えています。全国1,000カ所以上(2025年8月調査時点)の排水機場で稼働実績を持ち、異常気象による洪水リスク軽減にも貢献してきました。

農業用水やトンネル換気設備など、幅広い分野で生活と産業に欠かせない役割を担っています。技術面では「ポンプラス」という独自ソリューションを導入し、渦対策をポンプ単体で実現。施工コストや工期を削減しながら、性能を高めています。

「洪水ゼロ」や「砂漠でも水を使える未来」といった課題解決ビジョンを掲げ、国内外の大型インフラプロジェクトで成果を上げています。

固形廃棄物処理

廃棄物処理施設の設計・建設・運営を一貫して提供し、1961年に廃棄物処理施設第1号を納入して以降、60年以上にわたり500以上(2025年8月調査時点)の納入実績を持ちます(※)。

焼却処理だけでなく、廃棄物の熱を活用した発電や、流動床ガス化溶融システムによる資源リサイクルも推進。高温場でプラスチックを熱分解し、二酸化炭素以外のガスを取り出すICFG®ガス化システムは、循環型経済を支える技術として注目されています。

荏原製作所の技術力

荏原製作所は、流体・数値解析・材料・分析などの基盤技術を起点に、ポンプをはじめとする各種機器のコア技術を磨き続けています。これらの技術を組み合わせることで、高効率・高信頼な製品とシステムを開発し、インフラや産業、ビル設備など多様な分野で、持続可能な社会づくりに貢献しています。

高効率な流体設計技術

ポンプ内部の流れを数値解析で可視化し、理想的な流れになるよう羽根車形状などを設計するのが荏原の技術力です。逆解法設計によりロスの少ない流路を導き出し、高効率・高性能なポンプを実現しています。

高流速ポンプでは従来比で吸込流速を約2倍に高めることで、排水能力を維持したままポンプの小型化を達成。さらに、海水淡水化用高圧ポンプやLNGなど低温液化ガス用ポンプでは、キャビテーション解析と設計により、優れた吸込性能と安定運転を両立しています。

構造強度・振動解析技術

高圧や長時間連続運転など、過酷な条件で使われるポンプにとって、構造強度と振動の管理は信頼性を左右する重要な要素です。荏原製作所は高度な数値シミュレーションと実験評価を組み合わせて、ポンプ本体の強度・変形を精密に評価し、長寿命化と高信頼性を実現しています。

さらに、ポンプ単体だけでなく、上・下流配管や建屋を含むポンプ機場全体の振動・騒音を解析し、適切な対策を設計。原因究明から対策後の予測まで行うことで、安全・安定な運転をトータルに支えています。

回転軸・軸受・シール技術

高速回転するポンプの軸を安定して回すためには、軸受やシール、羽根車に働く流体力と動的特性を精密に把握する必要があります。荏原製作所は磁気軸受技術を活用した独自のロータダイナミクステストスタンドを用い、高速域で想定されるさまざまな軸振動モードにおいて、軸シール・軸受・羽根車に作用する力を計測・解析しています。

この技術は、JAXAのロケット用ポンプの回転安定性評価にも活用されており、その高度な解析力が認められています。また、CCS(二酸化炭素の地中貯留)向けインジェクションポンプでは、高圧・酸性ガス環境でも漏れを抑えるシール技術と軸受技術により、安全で信頼性の高い運転を実現しています。

省エネ・省フットプリント

半導体・ディスプレイ製造工場などで使用されるドライ真空ポンプは、ほぼ24時間365日稼働するため、消費電力削減と設備のコンパクト化が大きなテーマです。荏原製作所は、排気性能を維持しながら消費電力を抑えた省エネ設計を推進し、導入企業のランニングコスト低減に貢献しています。

また、クリーンルーム内に設置されることを前提に、フットプリントを小さく抑えたレイアウトを追求。高価なクリーンルームスペースの有効活用と省エネルギーを両立させるポンプ・真空ポンプの開発が進められています。

ポンプシステム技術

ポンプシステム全体を俯瞰した解析・設計ができるのも荏原製作所の強みです。送水管路内の急激な流速変化で発生する水撃現象について、数値解析により圧力変動の大きさを予測し、必要に応じて圧力変動を抑える対策を講じることで、長距離パイプラインなどの安全性を高めています。

また、ポンプ機場の吸込水路・吸込水槽の流れ解析や模型試験を通じて、偏流や空気吸込み渦を抑える流入形状を設計。ポンプ単体ではなく、施設全体の信頼性向上につながるシステム技術を蓄積しています。

材料技術

海水淡水化プラントや発電所など、海水を大量に扱う施設では、ポンプの金属材料が腐食にさらされます。荏原製作所は、塩分濃度や温度、異種金属接触や流速差など、多様な腐食要因に関する知見をもとに、適切な材料選定やカソード防食、解析技術を駆使した腐食予測を行い、安定した送水を実現しています。

特に、溶接が難しいとされていた二相ステンレス鋼に対して独自の溶接技術を確立し、耐海水腐食性に優れた大型海水用ポンプを開発。また、土砂を多く含む水によるエロージョンについても、摩耗量の予測技術やセラミックス含有溶射被膜などの耐エロージョン技術で、長寿命化に取り組んでいます。

エバラ熱源統合システム

「エバラ熱源統合システム」は、冷凍機・ポンプ・冷却塔など個別に存在する熱源機器を一括して制御・監視するためのプラットフォームです。荏原製作所が培ってきた制御技術を結集し、必要十分な機能をコンパクトなコントローラーに搭載することで、導入しやすく使いやすいIoT化の基盤が提供されています。

小型・軽量の「熱源統合コントローラー」は、荏原製作所の熱源機と通信線で接続するだけで自動運転や監視が可能で、分散制御思想により万一コントローラーに異常があっても熱源機単体での運転を継続できます。自動運転・遠隔監視・レポート機能による運用省力化、配線簡素化による施工省力化に加え、運転台数と負荷分担の改善により、熱源システム全体の省エネルギー運用に貢献しています。

荏原製作所の会社情報

企業名 株式会社 荏原製作所
所在地 東京都大田区羽田旭町11-1
電話番号 03-3743-6111
URL https://www.ebara.co.jp/
研磨用途別
CMP装置おすすめ3選
研究開発用の基板
試作したい
北川グレステック
DCMシリーズ
北川グレステックのCMP装置 DCMシリーズ
引用元:北川グレステック公式HP
(https://www.kitagawagt.co.jp/product/925/)
特徴

柔軟性と高い機械剛性を備え、角チップも取り付け可能。金属・酸化・窒化膜、ベアウエハはもちろん材料や関連商品などの研究開発向けに、試作の細かな調整がスムーズに行える卓上型CMP装置。

ウェーハ
サイズ
チップサイズ
~150mm
\研究開発用の基板に/詳細を公式HPで
確認する
安定した量産体制
確立したい
荏原製作所
F-REX300X
荏原製作所のCMP装置 F-REX300X
引用元:荏原製作所公式HP
(https://www.ebara.co.jp/products/details/FREX300XA.html)
特徴

自動研磨機能と4つのテーブルを使ったデュアルモジュール構造で効率的な半導体製造の歩留まり向上を実現。安定した品質と高い生産効率を提供。

ウェーハ
サイズ
~300mm
\生産体制の安定に/詳細を公式HPで
確認する
大型基板の加工精度
向上させたい
岡本工作機械製作所
PNX1200
岡本工作機械製作所のCMP装置 PNX1200
引用元:岡本工作機械製作所公式HP
(https://www.okamoto.co.jp/polishing-machine)
特徴

大型基板の高密度配線やTSV(貫通電極)プロセスの複雑な構造に対応した450mmウェーハ用では世界初※の全自動CMP装置。ポリッシュ取り代量の多い工程でも、安定した研磨性能。

ウェーハ
サイズ
~450mm
※参照元:岡本工作機械製作所公式HP(https://www.okamoto.co.jp/polishing-machine)
研磨用途別
CMP装置3選